続:確率の問題

トランプの問題

ある日Cryolite君はid:Cryolite:20050609#p1の問題1に遭遇し,解答1の論理が正しいかどうかに小1時間悩むわけです.
謎の人:「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん♪」
Cryolite君:「アンタ誰?っていうか呼んでないよ?」
謎の人:「ま,そんな硬いこと言わないで.というか何をそんなしょうもないことに悩んでおるのかね?その解答の論理が直感的に明らかじゃないか.」
Cryolite君:「ん・・・まぁ,そうか.なんかそんな気がしてきた.」
謎の人:「ハハハ,これで万事解決.んじゃそういうことで.」
Cryolite君:「おい,ちょっ.」
なんとなく納得したつもりになるわけである.

モンティ・ホール問題(モンティ・ホール ジレンマ)

トランプの問題に悩んでいたときからしばらくたったある日,Cryolite君はバラエティ番組に出演するわけである.

番組の終わりに、Cryolite君は三つのドアを見せられる。ドアの一つの後ろにはプレイヤーが獲得できる景品があり、一方、他の二つのドアにはヤギ(景品がなく、ハズレであることを意味している)が入っている。番組の司会者はそれぞれのドアの後ろに何があるか知っているのに対し、もちろんCryolite君は知らない。

Cryolite君が第一の選択をした後、番組の司会者は他の二つのドアのうち一つをあけ、ヤギをみせる。そして司会者はCryolite君に、初めの選択のままでよいか、もう一つの閉じているドアに変更するか、どちらかの選択権を提供する。

Cryolite君は、選択を変更すべきだろうか?

Cryolite君:「2つのうちに答えは一つあるから答えは1/2だ.だから扉の選択を変えなくても同じだっ!!」
謎の人:「いやいや待ちたまえ,Cryolite君.」
Cryolite君:「またアンタかよっ!」
謎の人:「この問題はそんな単純ではないのだよ.この問題では条件付確率をきちんと考えて答えを出さないといけないのだ.」
Cryolite君:「え,でもこの前のトランプの問題では簡単な問題に置き換えて考えてよいってアンタ言ってたジャン.」
謎の人:「あ〜,あの問題はあの問題,この問題はこの問題だから.
Cryolite君:「あっそ.」
何か納得いかないわけである.

サーベロニの問題

バラエティ番組に出演した日からしばらくたったある日,

という極めて平々凡々とした善良な1市民のCryolite君がなぜか無実の罪で囚われてしまうのです.さらにCryolite君以外にも2人,q君とA君が無実の罪で囚われてしまったようです.

Cryolite君,q君,A君の3人の囚人がいます。このうち、ふたりは処刑されることがわかっています。このことは囚人たちも知っているのですが、しかし、具体的にだれが処刑されるのかは、囚人たちは知りません。

今、Cryolite君が看守にたずねました。この看守は誰が処刑されるかをすでに知っています。

「囚われた3人のうち、ふたりが処刑されるそうだが、q君とA君のどちらか処刑される者の名前を教えて欲しい。q君とA君のどちらかは確実に処刑されるわけだから、あなたがq君かA君のどちらか処刑される者の名前を私に教えてくれても、私自身については何も教えたことにならない」

これを聞いた看守は、今Cryolite君が言ったことに納得したので、

「q君が処刑される」

とこたえた。

Cryolite君:「看守の言葉を聞く前,俺が処刑される確率は2/3だったけれど,看守の返事を聞いた後では,あと一人処刑される可能性は,自分かA君であることがわかった.つまり,自分が処刑される確率は1/2になった.つまり俺が処刑される確率が2/3から1/2に減ったわけだ.ばんじゃーい♪」
謎の人:「いやいや待ちたまえ,Cryolite君.」
Cryolite君:「またまたアンタかよ.」
謎の人:「この問題もそんな単純ではないのだよ.この問題でも条件付確率をきちんと考えて答えを出さないといけないのだ.」
Cryolite君:「アンタ,簡単な問題に置き換えられるのが明らかだと言ったり,条件付確率できちんと考えないといけないと言ったりダブルスタンダードだな.」
謎の人:「いや,あのトランプの問題は49枚の中に10枚ダイアがある場合と同じなの明らかだし?みたいな?」
Cryolite君:「んじゃ,バラエティ番組のときとか今回のは何で簡単な問題に置き換えるのが間違いになるんだよ.その判断のための客観的かつ一貫した条件とか何かそういうのないのかよ?
謎の人:「んじゃ,そういうことで.」
Cryolite君:「ちょwwwwwおまwwwwwww」
もう全然納得いかないわけである.

トランプの問題をモンティ・ホール問題,あるいはサーベロニの問題と同列に扱うことに疑問がある方へ

トランプの問題をモンティ・ホール問題,あるいはサーベロニの問題と同列に扱うことに疑問がある方は,トランプの問題で最初のカードの枚数を3枚に限定した上で,バラエティ番組の司会者あるいは看守と同様に振舞う機械の設計を考案して思考実験してみてください.