マルチパラダイムデザイン読解中

マルチパラダイムデザイン読み進めているけど,これがMC++Dの内容を受けて書かれていればなぁ,とつくづく思わせる.日本語版p75「負の可変性」のところでメンバをifdefで切り分けているけれど,これなんてまさにtemplateのpolicyでやるべきものだよなぁって思う.この本で「キャンセルを伴う継承」という言葉で書かれているのって,まさにpolicyとして切り出すべきものだと思うがどうか?この本を読む前から「負の可変性」と呼ばれるものの存在には薄々と気が付いていたけれど,MC++Dを読んでこれがpolicy(MC++Dでいうpolicy)との相性が非常に良いのではないか,と考えていただけに「負の可変性」をきちんと言葉として定義してくれたこの本がtemplateによるpolicyの実装にちゃんと言及していないのがなんとも歯がゆい.くそぉ.まぁ,そのうち絶対に誰かが本として書くだろうけどね.
それとどうでも良いが,"Modern C++ Design"の初版発行が2001/12/20で,"マルチパラダイムデザイン"の初版発行が2001/12/15って何かの因果としか思えない.というか時代の流れって物なのかな?
#2004年4月13日追記
お恥ずかしい限りなんですが,マルチパラダイムデザインの原書の方,"Multi-Paradigm Design for C++"は1998年10月の発刊だったんですね.今知りました.それじゃあ,Policy-Based Designを期待する方が無理ってわけで.ちなみに"Modern C++ Design"は原書の発刊が2001年2月ですね.MC++Dの翻訳がこれだけ早く出たのはやはりその内容の衝撃度が大きかった証拠でしょうか・・・.
勘違いしていたことの弁明として,"Multi-Paradigm Design for C++"がGenerative Programmingについて言及していたのを,てっきり"Generative Programming"(通称C&E.こちらはまだ翻訳が出ておらず,原書の発刊は2000年6月)について言及しているものだと早とちりしてしまっていたんです.なんで,訳本の発刊日を鵜呑みにしてしまったんですよ.恥ずかしいったらありゃしない.今度からはきちんと原書の発刊日を確認することにします.