"C++ Coding Standards" の訳本

今日ふとしたきっかけで書店に立ち寄った.そしたら偶然『C++ Coding Standards―101のルール、ガイドライン、ベストプラクティス (C++ in‐depth series)』("C++ Coding Standards: 101 Rules, Guidelines, and Best Practices (C++ In-Depth Series)"の訳本)が発売されているのを発見.ちょっと(というか結構)立ち読みした.著者は『Exceptional C++―47のクイズ形式によるプログラム問題と解法 (C++ in‐Depth Series)』の Herb Sutter と『Modern C++ Design―ジェネリック・プログラミングおよびデザイン・パターンを利用するための究極のテンプレート活用術 (C++ In‐Depth Series)』の Andrei Alexandrescu,加えてどこぞのハゲおやぢという超強烈な組み合わせだけれど,内容的にはむしろ初級・中級程度で著者の名前から期待すると肩透かしを食らうかも知れない.もちろん,良い本であることには間違いないのでお勧めです.
ただ,訳本となった本書を読んで初めて気が付いたことが1つある.この本の非常に大きな特徴として徹底したリファレンス(参考資料・参考文献)が挙げられるのは以前このブログで書いたとおり.このリファレンスの豊富さのおかげで,C++ にある程度精通した方でも,深い内容を知りたい項目に関して,その項目に関したリファレンスを徹底して追うという読み方をすることで非常に読み応えが出てくるのが本書の大きな売りだと思う.個人的にはこの売りは本書の潜在的評価の3割,4割を占めると言っても過言じゃないと思っている.ところが本書それ自体は訳出されていても,その肝心のリファレンスは7,8割方英語のまんまで対応する日本語訳の文献がない.これが非常に残念.下手すると本当にただの初級・中級のコーディングガイドライン集という評価になりかねない.こればかりはどうしようもないのかなぁ.