ごきげんよう

昨晩は用事があって実家に泊まった.そして今朝はテレビから聞こえてくる祐巳ちゃんの声で目が覚めた.
私が朝のこの時間(8時前)に起きるなんて奇跡である.どれぐらい奇跡的かというと,わざわざ起こしに来てくれた幼馴染に急かされつつ,学校に向かってパンくわえながらダッシュしていたら視界の悪い交差点で転校生と衝突して,「痛っ!」「ごめんっ!キミ大丈夫?」「え?あ,はい・・・」てなやり取りを交わしつつ,よく見てみたらかなり可愛い娘で,微妙に鼻の下を伸ばしつつ,その娘に手を差し伸べようとして,ふと視線を感じて横を向くと,そんな自分たちの様子を一緒に走ってきた幼馴染が微かに息を切らせながらなんとも訝しげな表情で伺っており,「どしたの?」なんて聞いてみると「別にぃ?」なんて,明らかに「何かありますよ」的態度と返答を「(たまーにコイツこういうことあるんだよな)」程度に軽く受け流しつつ,転校生を引き上げ起こして,「怪我ない?」「あ,はい.大丈夫だと思います.」と,皇太子ご夫妻も真っ青の『終始和やかなムード』で過ごすも束の間,ふと「あっ!時間っ!」と気が付いて慌ててダッシュを再開し,転校生を職員室にご案内しつつなんとかホームルーム開始直前に二人肩で息をしながら教室に滑り込み,「また夫婦揃って遅刻かぁ?」等と冷やかされつつ,始まったホームルームは案の定先ほどの転校生の紹介で,「じゃあ,席はCry君の隣ね」と『学園天国』の歌詞はどこ吹く風でクラス一の可愛いあの娘の隣をgetしつつ,「あの・・・教科書まだ持ってないので・・・」「あ,いいよいいよ」「すいません・・・」などと,日米首脳会談も舌を巻く非常に打ち解けた雰囲気を醸し出していると,なぜか後ろに座っているヤツの鋭い視線が背中に突き刺さってきているような気がして,非常に落ち着かない昼下がりのグラマーの授業,なんて状況を現実に体験するくらい奇跡的である.これはきっと「マリみてを見よ」という託宣か何かに違いない.
(ここまでの要約:いつもはこんな朝早く起きないのにマリみてのある今日は早く起きた.奇跡だ.)
いや,そんなことはどうでもよろしい.
本質的な問題はまったく別のところにある.
問題は,何故に私が起きる前からテレビがswitch onで,なおかつチャンネルがマリみてにtune inなのか?というところにある.
この問題をその当事者に端的に投げかけるとするならば以下のようになるであろう.
「何故に日曜の朝っぱらからマリみてをご覧になっていらっしゃるのでしょうか,お母様?」
いえ,マリみての放映が日曜の朝っぱらにあるのですから,マリみてをご覧になるのは日曜の朝っぱらが普通でしょうけれども.
いや,だったら録画して月曜の夜っぱらに見れば良いのか?とかそういう問題でもなくてですね.
寝ぼけ眼をこすりつつのそのそと起き出した息子が,母が見ているマリみてを,一緒に並んでぼけーっと見ているという構図はどー考えても変じゃないっスか?
血は争えないとはよく言ったものですが,これに関してはさすがに血を争った方がよろしいのではないでしょうか?